ARCHITECTURE/INTERIOR/GRAPHIC/SPACE/DESIGN
一級建築士事務所 ケンソウアーキテクツ

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KENSO ARCHITECTS
Kenso A+d Co.Ltd
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建築家を目指した理由


小さな頃から物をつくるという事が好きだったのですが、どちらかというと、一般の勉強をしたくないという思いから14歳の進路選択で工業高校への進学する事に。
いくつかの学科選択から寺社仏閣建築好き。創ったものが残っていくって!
なんとなくカッコいいかな程度のイメージで建築学科を選択したことがはじまりでした。

当時は手描きだったこともあり、図面を描くのが苦手で、設計の勉強にはそんなには真面目には取り組んではいませんでした。
ただ、立体のイメージを膨らませ、デザイン、プランニングするのはとにかく好きで友人のプランニングをする代わりに図面を描いてもらうというような学生にあるまじき行為を行っていました(笑)

高校3年生になり、進路を検討している時に、梅田にスカイビルが完成しました。
スカイビルのスケッチを最初に見た時には不思議な絵だなというぐらいにしか思っていませんでしたが… 原広司スケッチ
(著作権に問題のある場合はご連絡をお願いします。)

ホントに出来上がったのを見て、イメージが形になるという事に衝撃を受けました。
そして、大学でもそのまま建築を学ぶことにします。

 

バブル時代の建築


大学に入学し、少し真剣に建築に取り組み始めた頃まわりにはバブルの余韻が残っていましたので、どんどん新しい建物が建築されていきました。
そんな建物を見て、生意気ながらもなんで悪趣味でチープな建物ばっかりできていくのだろう??
と疑問を感じるようになっていました。
設計の授業では建築物は都市をつくり永年残っていくものと教えられるのですが…
老朽化していないにも関わらずどんどん取り壊される建物。
   そして、大規模な震災などを体験し、残らない建物の方が多いという事を目の当たりに。その反動からか、日本とは反対の歴史を重んじるヨーロッパ建築に強い憧れ   を抱くようになりました。
そんな時、雑誌に掲載されていたロンドンの設計事務所の考え方やデザインに感銘をうけ、いつかその事務所で働いてみたいと思うようになり、渡英資金をためはじめます。
同時に、日本で少し設計業務に携わってから海外に行こうと考え、ひとまず卒業後は日本の設計事務所に就職する事に決めます。

 

設計事務所へ就職


学生の時は、自分だったらもっと素敵な建物をつくるのにと思っていましたがいざ就職するとそんな考えは簡単に覆されてしまいます。
仕事が進んでゆくスピードについて行く事ができず…。
複数の物件を担当し、申請業務を行い、たまに現場に行って出来上がりを見る。
現場と設計の大きな溝、「今まで通りに設計しておけば現場がなんとかしてくれる。」
「クオリティー、デザイン、施主の思いなどよりも速度重視。」
考え直さなければならない箇所があったとしても置き去りのまま進められていく。

自分の設計の能力不足を痛感しました。そんな中でも設計の経験を積みひたすら数をこなすという経験はできましたが…ものを丁寧につくるというよりも、仕事をとにかく進めていくという状況に強い違和感を抱き続けていました。
世の中の状況は、倒産する事はないといわれていたゼネコンがバタバタと倒産し、さらには私の勤めていた設計事務所も倒産してしまいました。

 

建築現場での経験


今ならもっと違う方法を考えたと思うのですが、当時は若かった事もあり、実際につくられている現場をもっと間近で見ることができ、しかも貯金までできてしまう。

そんな思いから、勤めていた設計事務所と付合いのあった工務店の社長さんにお願し、一定の期間現場で働く事のできる所を探しました。
大工の棟梁を紹介してくれたのですが、「設計士さんに現場はむりやで」の一言。
それでもなんとかお願いして、大工見習いを経験しました。
朝早い上、夏の暑さ、特に冬の寒さは強烈でとにかく辛かったです。
それでも不思議と建築物が目の前でできていく事に大きな感動を覚えました。

長い間設計に携わった上で現場を見る事で、建築が出来ていくという事をはじめて身をもって実感したのかなと思います。
短い間でしたがその経験が色々な意味で今でも役にたっているように思います。

現場で働きながら、休日には教会に通い無料で英会話の勉強するという生活で渡英資金をためました。

 

海外での体験


それから約3年後、ようやく念願の渡英。
憧れのロンドンの設計事務所の門を叩いたのですが…
残念ながら時間が経ち過ぎ、大型の事務所になっていた事もありそこで働くことは断念。
喪失感を味わいながら、そのまま帰っても仕方がないと思い、寄り道しながら日本に帰る事に。
結局は約1年間ヨーロッパをバックパッカーとして旅を続け人々に愛され「残す」という強い意志のもと長年大切にされている建物に触れてまわる事ができました。日本に戻ってからは知り合いの紹介などで設計事務所の手伝いをしながら次の旅行の準備をして、時間をつくっては建築を見学する旅に出るという事を繰り返しました。
北欧に訪れた際にはデンマークのKrabbesholmという学校に入学し、現在もホームページに掲載されています。

 

和風建築を見直す


ヨーロッパの文化に憧れを抱き海外に出ていきましたが、海外の人々と建築についてコミュニケーションをとる事で反対に、自分自身が和の文化について知らない事がとても多い。と言う事に気がつきます。
日本を離れ、外側から見る事で生活している時には気がつかなかった和文化の様々な側面を再発見し、日本建築を違った視点から見直すきっかけとなります。
現在は趣味として茶道も続けています。

 

独立 事務所設立


日本に帰ってからはフリーランスとして業務を行い、設計、デザイン事務所からの仕事を請け負って経験を積みました。
仕事の依頼はがどんどん増えていきましたがやはり下請けという形だと勤めていたときと同じように、経済性優先で進めなければならない事への違和感を拭いきれずにいました。それを解消するには自分で事務所を設立しかない!と思い立ち、2005年 29歳谷町6丁目に現在の事務所を立ち上げました。人々にも大切にされ、長年その場所に存在し続ける。
そんな建築づくりに少しでも近づきたいと願い、日々の業務を続けています。今でも試行錯誤の連続ではありますが、今年(2015年)10年目を無事迎える事ができました。
今までに出会ったクライアント、協力業者、仲間の設計事務所、いろんな方に助けて頂いている結果だと感謝しております。

 

設計への仕事 スタンス


「物をつくるのが好き。」「後世まで残る建築物をつくる。」
という事が今でも設計業務を行う原点になっています。私たちの中には決まった形はありません。
クライアントとの対話を通して、イメージや、潜在意識の中にある欲求などを切り口にデザイン、設計をすすめていきます。
プロである。という反面、新しいプロジェクトに取り組む際は生まれたての子供のように。全てをリセットした状態から取り組むよう心がけています。そこにずっといたくなる。感動する。奇をてらわずに新しい。力のある空間を目指して。

今の当たり前を見直す事で、年月を経ても色あせない普遍的な建築をクライアントとともに丁寧につくっていきたいと考えています。

>> COLUMN 家を創るという事について

 


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