木と石の家
3方が隣地に囲まれ、約5mのみが接道した都心に位置する長方形の敷地。
この建物は、そんな比較的一般的な敷地に計画された木造3階建て住宅である。
住環境に求められる要素を建築の法的規制にすりあわせると、形態の検討余地無くめいいっぱいのボリュームが決定される。
さらに、コスト、法的規制、実質的な採光等を整理していくと画一的なファサードを形作る建築の一つとなってしまう。
そこで、道路に面する建物の一部分を建築物と一旦切り離し、少しだけ歪めることで意図的にズレを創りだすことを考えた。
内部空間をボックスを入れ子状にしたような配置とし、切り離されたズレもその一部へとりこんでいる。
入れ子状の内部空間から、外側の空間に向かって開口を設ける事で内部に対し開かれたオープンスペースをつくり出そうとしている。
外部の道路面に対しては、そのズレを利用する事で開放性を獲得しながらプライバシーの確保を可能としている。
一般的な住居形態でありながらも、少しのデザイン介入により新しい建築を構築する事を試みている。
Credits
所在地:大阪
施 主:個人邸
床面積:125.44m2
業 務:新築
構 造:木造 地上3階建
設 計:一級建築士事務所ケンソウアーキテクツ
構 造:ユウプラン
施 工:宏聞建設工業株式会社
主用途:個人住宅
写 真:スタジオルーツ 幸田太郎 / 犬走 哲