ガラスと木の銀行
金融店舗の改修・ATMブース・風除室の増築の計画
建築物に存在する要素の多くは、同時に相反する内容が求められる。
この計画では、金融店鋪でのアクセスのしやすさが求められた。
アクセシビリティーの良い開放的な計画はセキュリティーが低下してしまい、金融店鋪という性質上重大な問題となってしまう。
以前の計画では開口部は最小限にとどめられ、防犯上の観点から強固な格子が設置されていた。
しかし、近年では空間センサーなどの設備が発達し、建物に異常がおこると、警備は数分で到着が可能である。コスト等の面からも、セキュリティー配置とセキュリティーラインまでの時間保持という観点からデザインを行なった。
既存の閉鎖的な建物に対して、ガラスの箱を置くようにデザインを行ない、セキュリティーラインと建物の外郭、アクセス動線にずれを生み出す事でそれらの問題を解決する事を試みている。
内部空間では、外観の透明感やエッジの効いたデザインとは対照的に、金融店舗ではあまり類をみない床にフローリング、カウンターに無垢の木材を使用し農業共同組合(JA BANK)ならではのやさしさ、ナチュラルさを表現している。
Credits
所在地:大阪
施 主:岸和田市農業協同組合
床面積:280.53m2
業 務:増築・内装設計
構 造:増築部分 鉄骨造
監 修:NTTデータジェトロニクス株式会社
設 計:一級建築士事務所ケンソウアーキテクツ
構 造:ステラジアン
施 工:株式会社しおはん
主用途:金融店鋪
写 真:フジフォトハウス 垂井康輔 / 犬走 哲